転写因子TとMesp1はES細胞から中胚葉、中胚葉から心血管系譜細胞へのそれぞれの分化決定をつかさどるマスター遺伝子である。TとMesp1は転写因子として下流の遺伝子群を制御するカスケードが解明される一方で、ES細胞における転写制御機構が明らかにされていない。 我々は、BTBジンクフィンガー型転写因子であるCIBZは、TとMesp1の転写を直接に抑制することでES細胞の中胚葉と心筋細胞への分化のを「負」に制御することを明らかにした。CIBZはTとMesp1の転写を制御する新たな転写因子として、ES細胞の中胚葉と心筋細胞への分化の運命決定に重要な役割を果たすことを示した。
|