研究課題
アルファアレスチンファミリーに属する分子thioredoxin interacting protein (Txnip) / thioredoxin binding protein-2 (TBP-2)は高血糖により誘導され、インスリン抵抗性を悪化させる因子である。これまでの研究の実施実績として、糖によるTxnip発現誘導を指標とした低分子化合物スクリーニングにより、糖によるTxnip発現誘導を抑制し、糖の細胞内取り込みを改善する11個の低分子化合物を得た。これらの化合物AおよびBは2型糖尿病モデルマウスob/obにおいて血糖値を低下させる効果を示した。さらに、得られた化合物を用いてこれらの化合物の働くシグナル経路を解析し、Txnip蛋白質の発現制御機構を明らかにした。これはTxnipを応用した新たな糖代謝制御改善薬の開発につながる成果である。一方、Txnipは癌抑制分子としても働く。プロテオミクス解析により、Txnipと相互作用する分子を同定した。このことによりTxnipの癌抑制における分子機構の解析を進め、新たな抗癌剤開発のための基盤を提供した。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
PLoS One
巻: 11 ページ: e0150496
10.1371/journal.pone.0150496
Hum Mol Genet.
巻: 24 ページ: 3427-3439
10.1093/hmg/ddv093
別冊医学のあゆみ、レドックスUPDATE
巻: 1 ページ: 10-14
http://www.virus.kyoto-u.ac.jp/Lab/MasutaniHP/jp/index.html