• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

RNAキナーゼNOL9の生体内機能および関連疾患に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25460387
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

花田 俊勝  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10363350)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード分子病態学 / 遺伝子改変動物 / RNA代謝
研究概要

RNAキナーゼ分子Clp1及びNOL9はRNAの5'端をリン酸化する酵素活性を有し、RNAの成熟化に重要であると考えられている。申請者は、Clp1のRNAキナーゼ活性がtRNAの成熟化及びその代謝過程において重要な役割を果たし、その機能欠損によりtRNA前駆体由来の小RNA分子が細胞内に蓄積して、酸化ストレスを惹起することを報告した。また、生体内では特に運動神経が障害され、Clp1キナーゼ活性欠損ノックインマウスは運動神経変性疾患を呈することが判明した(Nature, 2013)。さらに、トルコにおいてClp1遺伝子に突然変異を持つ家系が国際的共同研究によって見出だされ、マウス同様に神経変性病を呈することから、RNA代謝障害は神経変性疾患の原因であるという全く新しい病態メカニズムを明らかにすることが出来た(Cell, 2014)。NOL9はClp1同様RNAキナーゼ活性を有し、核小体に局在することからリボソーマルRNAの成熟化機構に関与しているものと考えられているが、その生体機能については未だ明らかではない。核小体は細胞内で最もエネルギーを必要とする細胞小器官であるため、エネルギー代謝との関連を検討すべく、NOL9 floxedマウスと脂肪細胞特異的Creマウスとを交配させ脂肪細胞特異的NOL9コンディショナルノックアウトマウスを樹立した。マウスは生存可能であり、現在のところ大きな形態的異常は認めていない。今後、脂肪細胞の分化や高脂肪食負荷による代謝機能の変化等、詳細に検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請者は、本研究に必要な組織特異的NOL9コンディショナルノックアウトマウスの作製に成功し、乳腺特異的MMTV-Creマウス、脂肪細胞特異的Adipoq-Creマウス、さらにタモキシフェンによる時間特異的遺伝子ノックアウトを可能にするERT2-Creマウスを既に入手し、交配を進めている。また、研究目的に挙げたNOL9キナーゼ活性欠損ノックインマウスの作製に関しては、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターと共同開発を進めており、現在のところキメラマウスのジャームライントランスミッションが確認されたところである。本研究に必要なマウスの準備が順調に進行していることから、おおむね順調に進展していると判断している。

今後の研究の推進方策

今後は、マウスの交配をさらに進めて個体数を増やし、詳細な検討を行なっていく予定である。NOL9キナーゼ活性欠損ノックインマウスに関しては、どのような表現型が出現するか未知であるため、もし申請者らの研究グループで対応できない場合速やかに国内外の研究者と共同研究の可能性を検討し、研究を推進していきたいと考える。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度に、遺伝子改変マウスの交配を行ない、その産仔数を基に飼育費用に充てる予定であったが、産仔数が予定数以下であったため、飼育費用において未使用額が生じた。
このため、次年度にさらにマウスを交配して個体数を増やすこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] CLP1 links tRNA metabolism to progressive motor-neuron loss.2013

    • 著者名/発表者名
      Hanada T., Weitzer S., Mair B., Bernreuther C., Wainger B.J., Ichida J., Hanada R., Orthofer M., Cronin S.J., Komnenovic V., Minis A., Sato F., Mimata H., Yoshimura A., Tamir I., Rainer J., Kofler R., Yaron A., Eggan K.C., Woolf C.J., Glatzel M., Herbst R., Martinez J., Penninger J.M.
    • 雑誌名

      Nature

      巻: 495 ページ: 474-480

    • DOI

      10.1038/nature11923.

    • 査読あり
  • [学会発表] マウス皮下脂肪組織由来脂肪前駆細胞株の樹立とその解析2013

    • 著者名/発表者名
      三木大輔、花田俊勝、中尾一和
    • 学会等名
      日本肥満学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20131011-20131012
  • [備考] 京都大学メディカルイノベーションセンターTKプロジェクト

    • URL

      http://www.tk.med.kyoto-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi