研究課題/領域番号 |
25460392
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
小島 裕正 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (40336772)
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研究分担者 |
中嶋 弘一 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (00227787)
井上 敏昭 鳥取大学, 医学部, 准教授 (80305573)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | サイトカイン |
研究実績の概要 |
(1) シグナル伝達分子STAT3の新規タンパク質修飾と制御機序の解明を目的として、質量分析において新規の可能性がある修飾部位を同定した。肝実質細胞株においてSTAT3をノックダウンした細胞において、RNAiに影響されず、かつこの部位に変異を与えたSTAT3変異体が発現できるような細胞株をレンチウィルスベクターの系で樹立した。野生型STAT3復帰株に比較して、変異体導入細胞株においては、IL-6応答性の遺伝子発現が抑制されていることがわかった。しかしながら、活性型STAT3に新規修飾部位に変異を与えた場合は、抑制効果が認められなかった。 (2) 本研究期間においては、シグナル伝達分子STAT3と複合体を形成し、サイトカイン誘導性の細胞老化誘導機能などにも関与する可能性のある分子であるSTBPについての解析に重点をおいた。ヒト肝実質細胞株HepG2において、各種のサイトカイン刺激におけるSTBPの物性並びに細胞内における局在の変化を、免疫蛍光染色と共焦点レーザー顕微鏡などによって調べた。その結果、STAT3を活性化しうるサイトカイン刺激において、STBPの蛋白修飾の状況の変化はみとめられなかった。 また細胞内の局在にも変化がみとめられなかった。一方で、STAT3非活性化サイトカイン刺激の条件においては細胞内の局在に変化は認められなかったものの、タンパク修飾状況の変化が認められた。現在このタンパク修飾の機能における位置付けの解析のための実験系の構築を実施継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新規のSTAT3の修飾活性化の役割が用いた細胞系では顕著ではなかったため、STAT3会合分子の役割の解析に重点を移した。
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今後の研究の推進方策 |
STAT3と協調的に働く可能性のあるSTBPの修飾系検出系の構築並びに、併せて機能解析を行い、機能と修飾の関係性を探っていく。老化誘導エフェクター分子群の発現制御におけるSTAT3蛋白複合体の役割を明かにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度繰越金が生じたが、進展があった一部のプロジェクトに今期は重点をおいたため、関連経費が予定よりも低く抑えられたため発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の推進方策として細胞培養関連試薬を使用した研究を予定しておりその経費として充当したい。
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