ST2遺伝子は線維芽細胞の増殖開始過程で特異的に発現される遺伝子としてクローニングされた。その構造がインターロイキン1受容体に類似しており、リガンドが炎症反応を惹起するIL-33であることから、免疫学的アプローチが主流であった。原点に立ち返りST2遺伝子産物及びそのリガンドIL-33がNIH-3T3線維芽細胞の増殖に及ぼす影響を調べたところ、IL-33については増殖開始過程を抑制するが、増殖開始後は増殖促進に働くことがわかった。一方で、分泌型ST2は当初の仮説に反して増殖を促進することがわかった。両者の相互作用が増殖に及ぼす影響については今後の課題である。
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