転移・再発乳癌の大部分はエストロゲン受容体(ER)が陽性で、エストロゲン作用の重要性が推察される。本研究の結果、(1) ER陽性乳癌では転移・再発の有無に応じて遺伝子やmicroRNAの発現プロファイルが異なっていること、(2) miR-1、GATA4、thymidylate synthase、TACC2等は転移・再発に重要な役割を担っており、その発現が予測因子となりうること等が明らかとなった。本研究によってER陽性乳癌における転移・再発の分子機序の一端が明らかとなり、このような因子が今後重要な治療標的となりうる可能性が示唆された。
|