子宮頸部腺癌89例でのHPV検索の結果、HPV感染は47例(53%)で、うちHPV16型が27例(30%)、HPV 18型が20例(22%)であった。16,18型以外のHPV型は検出されなかった。HPV陰性例は42例(47%)であり、うち11例は胃型腺癌であった。免疫組織学的な胃型形質は, 非胃型腺癌でもしばしば陽性であり、HPV感染の有無に関係なく頸部腺癌に広く認められた。HPV陰性腺癌は、消化器の発癌と共通する種々の遺伝子異常(TP53、 RAS、 GNAS、STK11など)が関連する、ヘテロな集団と考えられ、特定の遺伝子異常を有していないことが明らかとなった。
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