研究課題
最終年度である本年度は、CAST法で見出したBone Marrow Stromal Antigen (BST2)の発現が大腸癌のみならず、胃癌や食道癌でも同様に予後不良因子となる原因について生物学的機能解析を行い、EGFR経路の活性化を通じて増殖能を亢進させていることを明らかにした。また、分泌蛋白であるsignal peptidase complex 18 (SPC18)は大腸腫瘍において、特に古典的発癌経路の大腸癌および前癌病変で高発現し、鋸歯状病変の発癌経路に関与するとされるMSI-H大腸癌やSSA/P、TSAなどでは発現はほとんど認められず、発癌メカニズムの違いを明らかにする重要な分子である可能性が示唆された。更に、2種類の胃癌細胞株を用いたCAST法の比較で見出した福山型筋ジストロフィーの原因遺伝子の一つとして知られるFukutin (FKTN)が胃癌でも43%に発現し、T grade、N gradeの高いもの、分化度の高い組織型と有意な相関が見られることを明らかにした。更に粘液形質との比較ではCD10と有意な相関を示し、腸型粘液形質で頻度が高い傾向が見られた。FKTN-siRNAによるノックダウンによって細胞増殖能が抑制されたが、浸潤能には変化は見られなかった。EGFR経路の分子(EGFR, Akt, ERK1/2, p38およびそのリン酸化)の発現も検討したが有意な変化は認められなかった。またFukutinの発現は予後に有意な影響は及ぼさなかった。
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