本研究の目的は、胃癌の癌幹細胞を同定することである。胃癌細胞のスフェロイドではモノレイヤーで培養した場合と比較し、KIFC1、KIF11、IQGAP3の発現が亢進していた。KIFC1は高分化腺癌、KIF11は腸型形質の胃癌、IQGAP3は胃型形質の胃癌において特に高発現していた。これらをノックダウンするとスフェロイド形成が阻害されたことから、胃癌の癌幹細胞の形成に重要であることが示唆された。一方、食道扁平上皮癌においては放射線化学療法後の腫瘍細胞にポドプラニンが染色され、癌幹細胞のマーカーになる可能性がある。今後はKIFC1、KIF11の阻害剤の効果を検討する予定である。
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