研究課題/領域番号 |
25460418
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
中村 昌太郎 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (10243932)
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研究分担者 |
松本 主之 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10278955)
小田 義直 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70291515)
橋爪 誠 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90198664)
平橋 美奈子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90529877)
後藤 章暢 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70283885)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 消化管リンパ腫 / 悪性リンパ腫 / 遺伝子異常 / 転座 / FISH / microRNA |
研究実績の概要 |
2014年度は,新規診断された消化管悪性リンパ腫31例に対しFISH法により染色体異常の有無を検索した。その結果,①MALTリンパ腫11例中1例でAPI2-MALT1転座,他の1例でMALT1遺伝子のトリソミーを認めた。②びまん性大細胞型B細胞リンパ腫6例中2例でBCL6-IGH転座を認めた。③濾胞性リンパ腫11例全例でIGH-BCL2転座を認め、そのうち2例はMYCの転座を伴うdouble hit転座であった。④その他,Burkittリンパ腫2例中1例でMYC-IGH転座陽性であり,マントル細胞リンパ腫1例でCCND1-IGH転座を認めた。
また,各組織型における染色体転座の有無/種類とmicroRNAの発現量、および予後の関係を調査中である。なお,小腸びまん性大細胞型B細胞リンパ腫35例におけるIGH転座と予後との関連を論文化し,Histopathology誌に受理された。
さらに,microRNAについては,3症例のホルマリン固定パラフィン包埋標本からQiagen社のキットを用いてmiRNAが抽出できることを確認した。パラフィン標本から抽出されたmicroRNAの質を評価するため,現在,九州大学において,凍結標本採取のために前向き臨床研究の倫理審査を申請中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度(17例)より1.8倍多い31例の新規症例でFISH法による染色体異常を解析した。また,microRNAの実験を開始し,次年度に向けて新たに倫理審査も申請している。さらに,本研究における重要な成果の一部を新たな原著論文として発表し,英文雑誌(Histopathology)に受理された。
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今後の研究の推進方策 |
まだ十分な結果が得られていないmicroRNAの研究を急ぐ。よって,早急に学内倫理委員会の承認を得て,消化管リンパ腫の新規症例の新鮮凍結標本の採取を進めてゆく予定である。このためには,近隣の医療機関にお願いして,本研究の重要性を理解していただくことが必要である。新規症例におけるFISH法による解析は,これまで通りに継続してゆく。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年10月に研究代表者である中村昌太郎が九州大学から岩手医科大学へ異動となり,実験自体は以前と同様に九州大学の大学院生(池上幸治ほか)により継続されているが,本研究費を九州大学で行う実験の試薬代等に使用することが,手続き上,容易ではなくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は本研究費の最終年度にあたり,研究成果を学術集会で発表する機会が多くなることから,主として旅費に充てる予定である。
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