ヒト培養線維芽細胞および臍帯静脈内皮細胞にMMP7およびTGF-beta1を添加したところ、線維芽細胞、内皮細胞に共に変化がみられた。特に内皮細胞では、MMP7添加により内皮細胞の結合性低下が観察され、MMP7産生癌細胞周囲では癌細胞が脈管内に侵入しやすい可能性が示唆された。 進行大腸癌のうち、早期に血行性転移をきたした症例についてMMP7と関連するマクロファージのマーカーであるMSR1の免疫染色を施行したところ、浸潤先進部、つまりMMP7の発現の高い部分において、MSR1が様々な様式で浸潤しており、MMP7陽性細胞が周囲間質の特にマクロファージと関連して脈管侵襲をきたすことが示唆された。
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