研究課題
混合型浸潤性微小乳頭癌の,微小乳頭癌成分と通常型浸潤癌成分とのマイクロアレイ比較により見出したBC-1514 (B lymphocyte activation-related protein, C21orf118),CaMK2N1,CD1D,PJA2,RPL5,SAMP13,TCF4,TXNIPを免疫染色にて検討した。2009年から2010年までに手術が施行された浸潤性乳癌症例のうち,微小浸潤癌を除いた231例(11例の浸潤性微小乳頭癌を含む)および,その後に手術が施行された浸潤性微小乳頭癌64例の合計294例を用いた。組織マイクロアレイを構築して免疫染色を施行した。BC-1514 C15抗体では,浸潤性微小乳頭癌での発現(218.77±64.87,中央値200)が,他の浸潤癌(139.41±67.45,中央値180)より有意に高かった(p<0.001)。また,BC-1514 W12抗体でも浸潤性微小乳頭癌が,他の浸潤癌より有意に高かった(P<0.001)。CD1Dは,浸潤性微小乳頭癌での発現が,他の浸潤癌より有意に低かった(p<0.001)。PJA2は,浸潤性微小乳頭癌での発現が,他の浸潤癌より有意に低かった(p=0.002)。これらは,マイクロアレイデータに合致する結果であったが,一方で,CaMK2N2,RPJ5,SAM13,TCF4,TXNIPは微小浸潤癌と他の組織型で差がないか,あるいはマイクロアレイデータと矛盾する結果であった。BC-1514は,無再発生存率において有意な相関を示し(C15 P=0.034,W12 P=0.024),全生存率においても有意であった(C15 P=0.007,W12 P=0.001)(Cox単変量解析)。CD1DとTXNIPは各生存率との有意な相関はみられなかった。BC-1514 W12は,pT(p=0.0153),組織学的異型度(p=0.0005),HER2(p=0.0234),Ki-67(p=0.0185)と各々,正の相関があり有意差がみられた。
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