EGFRとそのHER ファミリーに属するHER3ならびに、これらに高度の相同性を有するc-Metのアミノ酸配列からエピトープペプチドを合成し、強力な腫瘍反応性ヘルパーT細胞応答を惹起しうるか検討したところ、固形癌ならびに鼻性NK/T細胞リンパ腫に対してサイトカインを分泌し傷害活性を有するヘルパーT細胞を誘導できた。これらの反応は複数のHLA-DR分子によるpormiscuousな応答であった。EGFR,c-MetおよびHER3キナーゼ阻害薬は、抗原提示細胞のHLA分子の発現を上昇させ、T細胞の反応性を有意に増強した。分子標的薬と癌免疫治療の相乗効果に関する理論的根拠に成り得ると考えられた。
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