研究実績の概要 |
本年度はプロテオーム解析によって、NK細胞リンパ腫細胞株と正常NK細胞との対比によりNK細胞リンパ腫細胞株で発現亢進が認められた4種の蛋白について、NK/T細胞リンパ腫の臨床検体における発現を免疫染色により検討した。4種の蛋白のうち2種(SOCS1, DFCP)について、解析を行った。2遺伝子ともに細胞株および臨床検体の遺伝子変異解析では明らかな遺伝子変異を認めなかった。NK細胞リンパ腫のほぼ全例にEBウイルス感染が見られることから、プロテオーム解析で同定された2つの蛋白とEBウイルス関連蛋白との相互作用について検討した。FLAG-TagをC端に付加したSOCS1およびDFCP1を合成し、NK細胞リンパ腫細胞株において免疫沈降により相互作用する蛋白の同定を行った。相互作用する蛋白のうち、EBウイルス関連蛋白の一つであるA73との相互作用を明らかにした。EBウイルスとの協調作用によるリンパ腫形成にかかわる知見と考えられた。
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