研究課題/領域番号 |
25460446
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
蔦 幸治 独立行政法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (00392332)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 肺癌 / RET遺伝子 / 転座 |
研究概要 |
RET転座を有する肺癌の臨床病理像を明らかとするために1874例の非小細胞肺癌でFISHまたはRT-PCR法を用いる事で解析を行った。 RET転座を有する肺癌は22例(1.2%)に見いだされた。これらの組織型は全て腺癌であった。RET転座を有する患者は若年発生で、非喫煙者に多い傾向が認められたが、性差は認めず、腫瘍径やステージ、予後との相関を認めなかった。組織学的に優位な増殖形態は乳頭状増殖であり、ALK転座型肺癌で認められるような粘液産生はわずかなものを合わせると54%で特徴的な組織像は明らかではなかった。 本腫瘍のスクリーニングの有用性の確認のためにRETの免疫染色を行った。RET転座と免疫染色陽性は有意な相関を認めたが、転座例の71%にのみ陽性であり、スクリーニングには向かないと考えられた。 また、FISH法RET分離プローブでは感度は良いが特異度が完全ではなく転座パートナーのKIF5BやCCDC6の分離プローブを用いるなどの二重の検索を要することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定の3000例の解析よりは少ないが、過去の報告の中では最大例の解析を行うことが出来、当初の目的であるRET転座型肺癌の臨床病理像を明らかにすることが出来た。また、診断に対する問題点も明らかとなったので、本年度は殺細胞性因子の検討のみでなく次年次予定の微小検体での診断法確立に向けての準備を平行して行う必要があると考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
RET FISH用のプローブが複数社から市販されたので我々が作成したプローブと比較しメリットデメリットの検証を行う。 また、別の視点で、DNAに依存しない診断法について検討を行う予定である。 微小検体での診断開発のために各症例の陽性・陰性データーの収集を行う予定である。
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