本研究では,膵癌における遺伝子発現プロファイリングに基づく免疫組織化学的(IHC)分子サブタイピング法の確立を試みた.IHC解析を用いて,膵癌分子サブタイプの構成シグニチャー分子群の予後解析を行ったところ,TFF1の低発現群およびCAV1,S100A2,NT5Eの高発現群で有意な全生存期間の短縮が認められた. IHCマーカーによって分子サブタイピングされた24症例に対し,遺伝子発現プロファイル解析を行ったところ,その妥当性が確認された.以上の結果より,膵癌の遺伝子発現プロファイルに基づくサブタイプをサロゲートするIHCマーカーにより分子サブタイピングが可能となることが明らかとなった.
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