研究課題/領域番号 |
25460453
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
上原 剛 信州大学, 医学部, 講師 (80402121)
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研究分担者 |
増本 純也 愛媛大学, 大学院医学系研究科ゲノム病理学分野, 教授 (20334914)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 自己免疫性膵炎 / メチル化異常 |
研究概要 |
自己免疫性膵炎のDNAメチレーション異常について,transcription factorプロモーター領域の高メチル化について検討した.信州大学医学部附属病院やその関連施設において膵切除術を施行された症例で自己免疫性膵炎と最終的に診断された13例を対象とした.自己免疫性膵炎は当院にて再度標本を薄切し,HE標本とIgG,IgG4染色など行い複数名の病理医で検討し典型例を選択した.Transcription factorは愛媛大学大学院医学系研究科ゲノム病理学分野の増本純也先生に協力していただき炎症制御に関係のあるものから,腫瘍関連のものまで幅広く対象とした.対象検体のホルマリン固定パラフィン包埋検体よりマイクロダイセクション法によってDNAを抽出し,メチル化DNA検出キットのEZ DNA Methylation Kitを用いてbisulfate処理を行った後に,quantitative methylation specific PCRにて複数のtranscription factorプロモーター領域のメチル化を定量した.いくつかのtranscription factorプロモーター領域で高メチル化を認めており,現在慢性膵炎症例や正常膵などのコントロール群との比較を行っている.またイルミナ社のHuman Methylation 450 BeadChipを用いたメチル化サイトの大規模シークエンスに向けてのDNA抽出作業も現在行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
DNAメチル化異常を検討するための自己免疫性膵炎症例の確保ができ,またメチル化異常検索のための手技が確立できた.さらに対象とするtranscription factorの選択も当初の予定とは若干異なるもの研究分担者の協力で選択が行えた.
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今後の研究の推進方策 |
Transcription factorを追加して自己免疫性膵炎のメチル化率検索を続けていく予定である.また自己免疫性膵炎でも炎症部と非炎症部ではメチル化率に違いが生じる可能性があるので,同一症例での違いについても,それぞれの部位からマイクロダイセクション法でDNAを抽出して検索する予定である.さらに膵癌や正常膵といったコントロール群からも同様の操作によってメチル化率を検索し比較する予定である.またDNAメチル化異常が認められたtranscription factorにおいては,それらが制御するタンパク質の発現を免疫染色やwestern blot法にて解析し検索する予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
メチル化状態を調べるtranscription factorの検索方法を変更したので,当初計画で見込んでいたよりも安価で研究が完了したため,次年度使用額が生じた. 自己免疫性膵炎の炎症制御に関係する可能性のあるtranscription factorメチル化サイトをマイクロアレイなど用い検索する予定である.
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