研究課題/領域番号 |
25460455
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
鴨志田 伸吾 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (70351020)
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研究分担者 |
新谷 路子(田中路子) 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (40207147)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 胃癌 / 化学療法 / 効果予測 / SLCトランスポーター / 免疫組織化学 |
研究実績の概要 |
平成26年度(2年目)は、以下の研究成果を得ることができた。いずれも第104回日本病理学会総会にて発表予定である。 1. S-1/シスプラチンないしパクリタキセル/シスプラチンによる術前化学療法を施行した進行胃癌(計56例)の化学療法前生検材料を対象として、organic cation transporter 2(OCT2;シスプラチンの取込みに関与)の発現レベルと術前化学療法の効果との関連を評価した。全症例群では、反応群と非反応群の間にOCT2発現レベルの有意な差は認められなかった。しかし、S-1/シスプラチン療法群におけるOCT2高発現は、反応群に有意に多かった(P = 0.001)。多変量解析から、OCT2高発現は唯一の独立した効果予測因子であることが証明された(P = 0.04)。以上から、OCT2の発現レベルによって、胃癌におけるS-1/シスプラチン術前化学療法の効果を予測できる可能性が示唆された。海外の学術雑誌へ論文投稿中である。 2. 手術切除された低分化充実型腺癌62例(肝様腺癌9例、通常型腺癌53例)を対象に、equilibrative nucleoside transporter 1(ENT1)、organic anion transporter 2(OAT2)、OCT2およびcopper transporter 1(CTR1)について、肝様腺癌と通常型腺癌における発現レベルの違いを解析した。ENT1(ゲムシタビンやトリフルリジンを取込む)およびOAT2(タキサンや5-FUを取込む)の高発現症例は、通常型腺癌よりも肝様腺癌に有意に多かった(ENT1:P = 0.03、OAT2:P = 0.0005)。肝様腺癌に対しては、ENT1とOAT2の取込み基質を同時に含んだレジメンがより有効かもしれない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
病理組織切片作製に中心的役割を果たしていた研究協力者が所属施設を異動することになったため、当初計画していた切除不能進行・再発化学療法施行症例を対象とした研究を実施することが難しくなった。そこで、新たな研究協力者とともに、特殊型胃癌におけるSLCトランスポーター発現様式の特徴を明らかにする研究を開始し、学会発表(予定)の段階まで達しているが、論文投稿までは至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
特殊型胃癌におけるSLCトランスポーター発現様式に関する研究内容について、できる限り迅速に論文化する。同時に、当初計画していた切除不能進行・再発化学療法施行症例(平成26年度計画)および術後補助化学療法施行症例(平成27年度計画)を対象とした研究については、新たな研究協力者・施設を探し出すよう努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
生じた次年度使用額では、本研究で使用する試薬を購入するには足りないため。
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次年度使用額の使用計画 |
翌年度分として請求した助成金と合わせて、試薬購入に当てたいと考えている。
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