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2013 年度 実施状況報告書

細胞間通信を担うエキソソームとがん発症との関連解析

研究課題

研究課題/領域番号 25460457
研究種目

基盤研究(C)

研究機関岡山大学

研究代表者

堺 明子  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60205698)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードエキソソーム / microRNA / 血漿 / がん
研究概要

エキソソームは脂質二重膜で囲まれた直径30nmから100nmの細胞膜小胞である。この小胞は多くのタンパク質やmRNA、miRNA (microRNA) を含んでおり、新たな細胞間情報伝達ツールとして着目されている。とくに、がん細胞は特定のmiRNAを含む多量のエキソソームを放出しており、周辺の微小環境の整備や遠隔転移の操作をおこなっていると考えられる。本研究の目的は、がん患者の血流に乗ったエキソソームが、miRNAを介してがんの発症や進展に関与している様態を解明することである。
ヒト血漿からのエキソソーム単離には、BiooScientific社のExoMirキットを使用した。フィルターポアサイズ20nmおよび200nmの二重のフィルタリングによって、エキソソーム分画を捕捉するものである。エキソソーム回収の評価を、タンパク質レベル、およびmiRNAレベルでおこなった。前者では、エキソソーム特異的発現のCD63に対する抗体を用いたウェスタンブロットを、後者では、数種類のmiRNAについてリアルタイムPCRをおこなった。
現在までに、回収エキソソーム分画において、予測されるタンパク質およびmiRNAを確認し、miRNA間の発現量の差違について解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究においては基本的に既存の凍結保存血漿(研究機関の倫理委員会承認済み)を使用しており、エキソソーム単離の条件検討をしつつ、解析データを収集中である。複数のmiRNA定量をおこない、エキソソーム画分の回収を確認した。血漿中の他画分に含まれるmiRNAについては、いずれもエキソソーム画分より相当の低値(リアルタイムPCRで平均6サイクルの差)を示し、分画効率の確認となった。
なお、エキソソーム由来のmiRNA定量については、確立した内部標準が存在しない。複数のmiRNAの平均値、あるいは順位法による評価を試み、最適なデータ解析の手法をつねに検討しつつ、データ取得をおこなった。

今後の研究の推進方策

健常者と担がん患者血漿中のエキソソームmiRNAとタンパク質複合体miRNAを定量比較することにより、がん特異的エキソソームmiRNAのプロファイリングをおこなう。
それぞれのがんについて、特異的な発現変動するmiRNAを特定し、細胞株をもちいて、分化度や悪性度との関連を調べる。また、強制発現による細胞の表現形の変化およびmRNAの発現変動を解析し、in silicoの情報と併せて、miRNAのターゲットとなる遺伝子の特定を試みる。

次年度の研究費の使用計画

エキソソームmiRNAの最も有効なプロファイリングのために、実験結果をフィードバックさせつつ、解析サンプルの組合せを検討した。とくに、受託のアレイ解析は情報量が多いが高額となるため、その可能性も含めて慎重な検討が必要であった。
それにともない、解析の優先順位を決めるため、現有の保存凍結血漿の複数のがんの種類について、小規模な解析をおこない評価した。
解析サンプルを増やし、がん特異的エキソソームmiRNAのパターンを選定のために必要な試薬・キット等を購入する。所要の解析システムを導入し、得られたがん関連候補miRNAについて、細胞株レベルでの検証を進める。

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公開日: 2015-05-28  

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