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2014 年度 実施状況報告書

核クロマチン分布解析を用いたBCG膀胱内注入療法における治療効果評価法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 25460459
研究機関九州大学

研究代表者

渡邊 壽美子  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90404087)

研究分担者 大喜 雅文  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10160441)
勝田 仁  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50333240)
加来 恒壽  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60185717)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード膀胱癌 / BCG治療 / pRB / 細胞周期 / 細胞診 / 核クロマチン分布
研究実績の概要

膀胱癌のBCG治療の作用機序解明および診断法の改良を目的に、臨床検体と実験の2つの研究を実施している。臨床検体に関してはデータ集積を行っている段階である。実験に関しては、平成26年度は細胞周期とpRBのリン酸化部位の違いに注目して以下の検討を行った。
方法:臨床と同様に、培養細胞にBCG曝露を6回繰り返し、以下の発現率を調べた。pRBのC末端部位を認識する抗体を用いてtotal pRBを、S780のリン酸化を認識する抗体を用いて細胞周期のR point前のpRB(S780と略)を、同様にT821のリン酸化を認識する抗体を用いて細胞周期のR point後のpRB(T821と略)の核内陽性率を調べた。
結果:コントロール群との比較において、BCG曝露1回では、total pRB、S780、T821、いずれにおいても有意差をみとめなかった。しかし、BCG曝露2回目以降において、BCG曝露群のT821陽性率が有意に低い結果を得られた。
まとめ:BCG曝露1回では、pRBのリン酸化に影響はみられないが、BCG曝露2回目以降となると、明らかにpRBのリン酸化に影響がみられ、細胞周期の停止が予想される。
展望:癌細胞のpRB発現量の違いが、BCG治療効果に影響する可能性があり、その視点から、平成27年度は研究を進めていく予定である。また、このpRBのリン酸化の違いを利用して、核クロマチンのRD値を測定し、治療効果判定に応用可能かを検討する

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

臨床検体に関しては、約60例の膀胱癌症例の抽出を行い、解析対象例の核クロマチン分布をオリジナルのマクロプログラムであるRD法にて解析している。実験に関しては、pRBのリン酸化に関するものは順調に進んでいるが、siRNAを用いての実験は条件設定がうまくいかず、まだまだ検討を要する。

今後の研究の推進方策

臨床検体に関して:核クロマチン分布解析を患者の予後、BCG治療との関連から分析する
実験に関して:pRB発現の有無とBCG曝露後のT821発現量を検討し、pRB発現と細胞周期動態を調べる。また、T821発現の有無とRD値の関連性についても検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

siRNA系等実験の試薬・消耗品等の差額が考えられる

次年度使用額の使用計画

差額の10906円は、次年度と合わせて、試薬・消耗品代として使用する予定

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 膀胱癌培養細胞におけるBCG暴露効果の検討-pRB、p21の発現-2014

    • 著者名/発表者名
      江口奈津希、渡邊壽美子、杉島節夫、加来恒壽
    • 学会等名
      第53回日本臨床細胞学会(秋期大会)
    • 発表場所
      下関市民会館(山口県下関市)
    • 年月日
      2014-11-08 – 2014-11-08

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公開日: 2016-05-27  

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