研究課題/領域番号 |
25460461
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
伊波 英克 大分大学, 医学部, 准教授 (50242631)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | TAX1BP1 / A20/TNFAIP3 / SNPs / 炎症疾患 |
研究実績の概要 |
免疫系の過剰活性化による自己免疫性炎症疾患の発症には様々な要因が関与している。自然免疫を制御する一連の遺伝子群の機能不全もその中に含まれており、本研究事業では特に4遺伝子(TAX1BP1、A20/TNFAIP3、RNF11、ITCH)の機能に着目し、それぞれの遺伝子多型(SNPs)と炎症疾患の相関について解析を進めている。 今年度までに582例の炎症疾患患者試験群および90例の健常者対照群について、TAX1BP1、A20/TNFAIP3それぞれのエクソン18およびエクソン3領域の塩基配列を解読し、A20/TNFAIP3の当該領域における両群のSNPs出現頻度の統計的な有意差を確認した。このSNPsはアミノ酸の置換を伴うため、炎症惹起の目安となるTNFα投与後のNF-κB活性化の抑制機能について検討を加え、アミノ酸置換により抑制能が8%にまで減弱したことも確認した。 試験群中のA20/TNFAIP3-SNPsの9例には血縁のペアがあったので、病態の進展と遺伝的背景の相関性について全エクソン解読データをH27年度の前半までに完了し詳細な考察を加えたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
A20/TNFAIP3第3エクソンのSNPs出現頻度について患者試験群と健常者対照群とで統計的な有意差を得て、アミノ酸置換の影響をin vitroの系を用いて定量化した。さらに当初の目的である次世代シーケンサーの解析対象となる貴重な2例の検体も確保した。
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今後の研究の推進方策 |
上記2例の全エクソン配列の解読と解析。またTAX1BP1およびA20/TNFAIP3の酵素学的な活性を司る、ユビキチン修飾活性について詳細な解析を加えたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
全エクソンシーケンス解読用の費用として次年度に繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
物品費は全エクソンシーケンス解読費用として、旅費は学会発表用の旅費として、人件費・謝金は学生アルバイトの謝金として、その他は検体の輸送費などに使用予定。
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