研究課題
自然免疫の過剰活性化を抑制する調節機構として、TAX1BP1、TNFAIP3/A20、RNF11、ITCHの4遺伝子産物は機能し、特に前者二遺伝子は免疫調節機構の本体である、脱ユビキチン化活性を担う主要なサブユニットである。慢性炎症が進行する膠原病およびその類縁疾患、心血管疾患などの患者582例と前述の既往歴を有さない対照群120例について、TAX1BP1およびTNFAIP3/A20両遺伝子産物の脱ユビキチン化活性を担う領域をコードするエクソン18およびエクソン3領域の塩基配列を解読し、アミノ酸置換を伴う一塩基多型(SNPs)の出現頻度を比較した。欧米で報告されている結果とは異なり、TNFAIP3/A20のエクソン3領域におけるF127Cの多型発生頻度は有意に患者群で高く、特に全身性エリテマトーデス(SLE)において約5倍もの発生頻度の差が観察された。一方欧米では高頻度に観察されたシェーグレン症候群(SjS)およびリュウマチ性関節炎(RA)患者群においてF127Cは一例も観察されなかった。以上の結果についてまとめた論文を近日中に投稿予定である。
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