早期胃癌に対して行われた内視鏡治療後の追加手術の適応は治療後の病理組織診断によって決定されるが,特に粘膜下層(SM)浸潤癌の病理組織学的判定を標準化・均てん化することは喫緊の課題となっている.本研究で得られた成果として胃SM浸潤癌では1) 粘膜筋板の形状が構造保持型,不連続・構造不明瞭型,完全断裂型の3つに分類することが可能であった.2) 粘膜筋板の形状により肉眼型,浸潤距離,SM浸潤部主組織型,粘液形質,脈管侵襲,リンパ節転移の有無について臨床病理学的特徴が明らかとなった.3) 組織標本をバーチャルスライド化した場合でも組織学的判定は光学顕微鏡下での観察と同等であった.
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