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2013 年度 実施状況報告書

ダイレクトリプログラミング法によるリンパ管内皮細胞の作製

研究課題

研究課題/領域番号 25460473
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京薬科大学

研究代表者

渡部 徹郎  東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (00334235)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード幹細胞
研究概要

特定の組み合わせの転写因子を導入することにより線維芽細胞から神経や肝臓などの細胞を作製できることが報告されている。本研究課題においてはリンパ管内皮細胞を誘導する因子を同定し,線維芽細胞に導入することでリンパ管内皮細胞を作製することを試みる。さらに得られた細胞(induced lymphatic endothelial cell: iLEC)の遺伝子発現や機能を培養細胞レベルならびに個体レベルで検証し、リンパ浮腫の再生療法を試みることを目的とする。平成25年度はリンパ管内皮細胞の増殖に対する骨形成因子(bone morphogenetic protein: BMP-9)の役割を検討し、リンパ管内皮細胞の増殖に対してTGF-βファミリーメンバーである骨形成因子(BMP9)が抑制的に機能することを、ヒト皮膚由来リンパ管内非細胞(human dermal lymphatic endothelial cell: HDLEC)やBMP9遺伝子欠損マウスやその受容体(ALK1)遺伝子欠損マウスなどを用いて詳細に解析し、PNAS誌において発表した。以上の研究成果はリンパ管の形成機構をより詳細に解明することにより、リンパ性浮腫やがんリンパ節転移の治療につながるという点で意義は大きいとともに、iLECの培養においてBMP-9シグナルを阻害することが有効であることが示唆された点で本研究課題へ貢献したと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本申請課題においては(1) リンパ管内皮細胞の増殖を制御する因子の同定、(2) リンパ管内皮細胞分化誘導因子の同定、(3) iLECの性状解析、(4) iLECによるリンパ管組織の再構築と機能の補助などを計画している。従来の計画で、平成25年度において(1)を完成させる予定であった。その点では論文が発表できたということは十分満足な達成度であると考えている。(2) リンパ管内皮細胞分化誘導因子の同定については現在は12種類のレトロウィルスを使用してiLECを作製しているが、導入する転写因子の数を減らすことにより、リンパ管内皮細胞へとリプログラミングするために必要最小限の転写因子の組み合わせを同定する予定である。以上を総合して考えて、本申請課題は「おおむね順調に進展している」と考える。

今後の研究の推進方策

平成26年度以降は主に(2) リンパ管内皮細胞分化誘導因子の同定、(3) iLECの性状解析ならびに(4) iLECによるリンパ管組織の再構築と機能の補助を計画している。(2) リンパ管内皮細胞分化誘導因子の同定については現在は12種類のレトロウィルスを使用してiLECを作製しているが、導入する転写因子の数を減らすことにより、リンパ管内皮細胞へとリプログラミングするために必要最小限の転写因子の組み合わせを同定する予定である。(2)が十分な成果が得られ次第、(3)以降を順次進めていく計画である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] The COUP-TFII variant lacking a DNA-binding domain inhibits the activation of the Cyp7a1 promoter through physical interaction with COUP-TFII.2013

    • 著者名/発表者名
      3. Yamazaki, T., Suehiro, J.I., Miyazaki, H., Minami, T., Kodama, T., Miyazono, K., and Watabe, T.
    • 雑誌名

      Biochemical Journal

      巻: 452 ページ: 345-357

    • DOI

      10.1042/BJ20121200

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Bone morphogenetic protein-9 inhibits lymphatic vessel formation via activin receptor-like kinase 1 during development and cancerprogression.2013

    • 著者名/発表者名
      12. Yoshimatsu, Y., Lee, Y.G., Akatsu, Y., Taguchi, L., Suzuki, H.I., Cunha, S.I., Maruyama, K., Suzuki, Y., Yamazaki, T., Katsura, A., Oh, S.P., Zimmers ,T.A., Lee, S.J., Pietras, K., Koh, G.Y., Miyazono, K., and Watabe, T.
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences of U.S.A.

      巻: 110 ページ: 18940-18945

    • DOI

      10.1073/pnas.1310479110

    • 査読あり
  • [学会発表] Roles of signaling networks during EMT and EndMT in tumormicroenvironmen2013

    • 著者名/発表者名
      Watabe T.
    • 学会等名
      RCWC International Symposium
    • 発表場所
      Seoul, Korea
    • 年月日
      20131011-20131011
    • 招待講演
  • [学会発表] Roles of TGF-β family signals during the formation of vascular systems2013

    • 著者名/発表者名
      Watabe T
    • 学会等名
      The Joint Symposium of 2nd Asia-Pacific Vascular Biology and 10th Frontiers of Biomedical Sciences
    • 発表場所
      Tainan, Taiwan
    • 年月日
      20130517-20130518
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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