食道扁平上皮癌(ESCC)の浸潤先端部においてEMT(上皮間質転換)様の形態変化を示す細胞が存在し、それらがときにEMTのマーカーであるZEB1の発現とともにNotch1の核内発現 (ICN1) を示すことを明らかにした。この特定のパターンのICN1発現の有無は、ESCC症例の中長期予後と明らかに相関しており、さらに腫瘍の深達度、脈管侵襲、リンパ節および遠隔転移の有無といたfactorとも相関が見られることが明らかになった。このICN1発現は化学・放射線療法後のESCC標本や局所再発病変においてその陽性頻度が有意に増しており、腫瘍の予後不良や転移再発の重要なマーカーとなり得ることを示した。
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