粘液型脂肪肉腫特異的に見られるTLS-CHOPは、染色体転座に起因するキメラがん遺伝子である。この遺伝子産物は転写因子として機能し、粘液型脂肪肉腫の腫瘍発生や腫瘍増殖に関わると考えられているが、その分子メカニズムの詳細はまだ分かっていない。これまでの研究により、TLS-CHOPが、形質転換活性を持つDOL54の発現誘導や抗腫瘍活性を持つIL-24の発現抑制をすることなどが分かってきたが、本研究により、DOL54の高発現がIL-24の発現を抑制することにより腫瘍増殖を維持していることが判明した。さらに、新規に粘液型脂肪肉腫増殖に関わる分子群を同定しており、それらの分子機能を解析中である。
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