造血幹細胞(HSC)は長くG0期に留まる。マウスLin-Sca-1+c-kit+CD150+CD48-HSCの中のc-kitlow亜分画にはG0期細胞が濃縮されている。BrdU取込みの観察等から、HSCは生体内で緩徐な速度で分裂し、インビボでは常に一定のc-kit発現レベルを保つのではなく、c-kit発現量は時間とともに変動すると考えられた。c-kitlow細胞分画には、増殖刺激に応答しない細胞が存在した。また、ミトコンドリアや活性酸素種に乏しかった。網羅的遺伝子解析では、c-kitlow細胞はc-kithigh細胞と比べ、細胞周期関連、転写、リン酸化、代謝等の遺伝子群発現に相違が認められた。
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