研究課題/領域番号 |
25460485
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
松田 育雄 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50335452)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | GIST / エピゲノム / モデルマウス |
研究実績の概要 |
今年度の目標は昨年度に引き続き、 1.DNAメチル化阻害薬をGISTノックイン・マウスモデルに単独で投与し、GISTの増殖阻害を病理組織学的に検討すること、同時に、 2.GISTにおけるDNAメチル化以外の新たなエピゲノム標的を病理組織学的に検討することであった。 1に関しては、将来的な臨床応用を睨んでマウスへの強制経口投与を行うこととした。DNAメチル化阻害薬の中で経口投与可能でかつ入手可能な薬剤を種々検討した結果、Zebularineを用いることとした。Zebularineを強制経口投与しマウスをsacrificeした。回盲部のGISTを切除しホルマリン固定・パラフィン包埋標本を作成した。同標本を用いてGIST腫瘍径、増殖指数(Ki-67指数), 5-methylcytosineの免疫染色度の3点に関して、Zebularine非投与・投与個体を比較した。匹数が少なくpreliminaryであるが、5-methylcytosineの免疫染色強度はZebularine投与個体で減少していた。しかしZebularine投与個体群で腫瘍径やKi-67指数の有意な減少は現在のところ明瞭でない。今後さらに検討する予定である。 2に関して、イマチニブ2次耐性を示すヒトGISTはイマチニブ感受性GISTと比較すると、グローバルなDNAメチル化パターンが異なることを免疫染色により昨年度示した。イマチニブを投与したGISTモデルマウスと投与していないGISTモデルマウスのそれぞれから得られたGIST腫瘍検体を既に取得している。これを利用し、この両者におけるGISTのエピゲノムの違いを、DNAメチル化やヒストン翻訳後修飾に関する免疫染色などを用いて追究する予定である。イマチニブ投与後のGISTモデルマウスに特異的なエピゲノム変化が検出できれば、イマチニブ2次耐性を示すヒトGIST検体でvalidationを行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
DNAメチル化阻害薬の中で経口投与可能でかつ入手可能な薬剤を種々検討した結果、Zebularineを用いることとした。Zebularineを強制経口投与後にマウスをsacrificeした。回盲部のGISTを切除しホルマリン固定・パラフィン包埋標本を作成した。同標本を用いてGIST腫瘍径、増殖指数(Ki-67指数), 5-methylcytosineの免疫染色度の3点に関して、Zebularine非投与・投与個体を比較した。匹数が少なくpreliminaryであるが、5-methylcytosineの免疫染色強度はZebularine投与個体で減少していた。しかしZebularine投与個体群で腫瘍径やKi-67指数の有意な減少は現在のところ明瞭でない。同時並行で、イマチニブ2次耐性を示すヒトGISTはイマチニブ感受性GISTと比較すると、グローバルなDNAメチル化パターンが異なることを免疫染色により昨年度示した。イマチニブを投与したGISTモデルマウスと投与していないGISTモデルマウスのそれぞれから得られたGIST腫瘍検体を既に取得している。これを利用し、この両者におけるGISTのエピゲノムの違いを、DNAメチル化やヒストン翻訳後修飾に関する免疫染色などを用いて追究する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
GIST腫瘍径、増殖指数(Ki-67指数), 5-methylcytosineの免疫染色度の3点に関して、Zebularine非投与・投与個体を比較した。匹数が少なくpreliminaryであるが、5-methylcytosineの免疫染色強度はZebularine投与個体で減少していた。しかしZebularine投与個体群で腫瘍径やKi-67指数の有意な減少は現在のところ明瞭でない。今後さらに検討する予定である。同時並行で、イマチニブ2次耐性を示すヒトGISTはイマチニブ感受性GISTと比較すると、グローバルなDNAメチル化パターンが異なることを免疫染色により昨年度示した。イマチニブを投与したGISTモデルマウスと投与していないGISTモデルマウスのそれぞれから得られたGIST腫瘍検体を既に取得している。これを利用し、この両者におけるGISTのエピゲノムの違いを、DNAメチル化やヒストン翻訳後修飾に関する免疫染色などを用いて追究する予定である。イマチニブ投与後のGISTモデルマウスに特異的なエピゲノム変化が検出できれば、イマチニブ2次耐性を示すヒトGIST検体でvalidationを行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
Zebularineをマウス個体へ投与した論文はあるものの、投与濃度の記載が正確でなく詳細不明である。Zebularineを強制経口投与後にマウスをsacrificeした。回盲部のGISTを切除しホルマリン固定・パラフィン包埋標本を作成した。Preliminaryであるが、5-methylcytosineの免疫染色度はZebularine投与個体で減少していた。しかしZebularine投与個体群で腫瘍径やKi-67指数の有意な減少は現在のところ見られていない。Zebularineは高額であり、今後のZebularine購入にも予算を残しておく必要があり、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
GIST腫瘍径、増殖指数(Ki-67指数), 5-methylcytosineの免疫染色度の3点に関して、Zebularine非投与・投与個体の比較を今後さらに検討する予定である。同時並行で、イマチニブ2次耐性を示すヒトGISTはイマチニブ感受性GISTと比較すると、グローバルなDNAメチル化パターンが異なることを免疫染色により昨年度示した。イマチニブを投与したGISTモデルマウスと投与していないGISTモデルマウスのそれぞれから得られたGIST腫瘍検体を既に取得している。これを利用し、この両者におけるGISTのエピゲノムの違いを、DNAメチル化やヒストン翻訳後修飾に関する免疫染色などを用いて追究する予定である。イマチニブ投与後のGISTモデルマウスに特異的なエピゲノム変化が検出できれば、イマチニブ2次耐性を示すヒトGIST検体でvalidationを行う予定である。
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