研究課題
基盤研究(C)
17検体分の純化肝細胞を収集した。収集した肝細胞については、フェノール・クロロホルム法と透析法によって高分子量DNAを抽出し、高密度ビーズアレイであるInfinium HumanMethylation450k BeadChipを用いたゲノム網羅的DNAメチル化解析を施行した。肝細胞純化対象とした症例の性・年齢・肝炎ウイルス感染の有無、肝細胞がんの腫瘍径・分化度・静脈侵襲の有無・肝内転移の有無等の臨床病理学的因子の情報を収集した。特に肝炎ウイルス非感染肝細胞がん症例の病因とDNAメチル化異常を解析する場合、非がん肝組織の脂肪化の評価が重要であるが、一方で肝脂肪化は手術直近の栄養状態等に左右され、一定の訓練が必要である。肝臓病理の専門家に協力を仰ぎ、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪肝の脂肪化・線維化の程度の評価を習得した。
3: やや遅れている
純化肝細胞の収集がやや遅れている。肝組織片にカニュレーションして灌流する技術を持った研究協力者(本研究における分担研究者外)の転出と、同意・余剰組織量等で細胞純化に適切な症例数が収集予定期間において予想に比して少なかったことが主な理由である。カニュレーションを行わず細切のみで細胞分離を行う場合、カニュレーション施行時よりやや組織量の余裕が必要であるが、収集期間を延長することで検体の収集に尽力する。
引き続き純化肝細胞の収集と核酸抽出、同検体を用いた高密度ビーズアレイによる網羅的DNAメチル化解析を行う。コホートのデータ全てが揃った段階で、平時より共同研究を行っているバイオインフォマティシャンと協力し、病因特異的なDNAメチル化プロファイルを解析する。病因特異的にDNAメチル化の変化を生じるゲノム領域の共通性を抽出し、その領域のChIP解析等を行う。それらの成果から、病因特異的・塩基配列特異的にエピゲノム異常が惹起される分子機構の理解を進める。さらに、慢性肝障害患者の発がんリスクの診断指標となり得る、病因特異的エピゲノム異常の絞り込みを行う。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (9件) 備考 (1件)
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