研究課題
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は肝癌などに進行する予後不良の疾患であり、治療薬はない。我々は肝臓特異的欠損マウス(KOマウス)がNASHを発症することを見出した。さらに、PPARαを欠損させたダブルKOマウスは脂肪肝が改善することを見出している。そこで、KOマウスではPPARαの活性化が脂肪肝発症に関与していると推測し、KOマウスにおけるPPARαの内在性リガンドである脂肪酸の同定を試みた。肝臓の全脂質中の24種類の脂肪酸の比率を測定したところ、KOマウスにおいて比率が変動している脂肪酸は認められなかった、このため、KOマウスにおいてはPPARαは特定の脂肪酸によってではなく、脂肪酸の量が増加したことによって活性化されたと推測された。このため、KOマウスでの脂肪酸代謝に関与する様々な遺伝子の発現を解析したところ、脂肪酸の取り込みに関与する遺伝子の発現が増加すること、そしてその発現はダブルKOマウスでは発現が低下することが明らかになった。
2: おおむね順調に進展している
PPARαの活性化機構が分かってきた。またKOマウスの脂肪肝発症に関与する遺伝子候補も同定できたため。
PPARの標的遺伝子により脂肪肝がおきるかどうかを培養細胞やマウスを用いて解析する、
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