慢性骨髄性白血病(CML)の発症最初期段階においては、その主要病巣である骨髄内において、大多数が正常の造血細胞によって占められている中に、ごく少数出現した白血病細胞が徐々に増加すると考えられる。本研究を通して、正常造血系を背景に白血病細胞が増殖し、正常造血細胞との相互作用を詳細に観察できるCMLマウスモデルを新たに確立した。さらに、このモデルを用いた解析から、発症初期過程の骨髄内において、白血病細胞から高レベルに産生される炎症性ケモカインCCL3が、選択的に正常造血幹・前駆細胞の増殖を抑制することで、白血病細胞の優位な増殖を支持する結果、CML病態を増悪させていることを明らかにした。
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