研究課題/領域番号 |
25460496
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
宮崎 龍彦 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (80239384)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 炎症 / 膠原病疾患モデルマウス / 組換え近交系 / 蛋白アナログ |
研究概要 |
1.膠原病モデル組換え近交系マウスMXH/lpr全系統の確立と臓器病変の解析: MXH/lpr系の臓器病変をチェックしながら、疾患発症の組み合わせの異なるものを優先し、23系統を樹立した。各系統の病理形質を、少なくとも4~5ヶ月齢でそれぞれ光学顕微鏡レベルで比較解析し、一部の系統では2ヶ月齢での組織学的解析も行った。確立させる系および解析を一時中断する系のなかから7系統の凍結受精卵を採取し、保存を行った。 2.自己抗原のエピトープとなる蛋白アナログのスクリーニング:これまでにMXH/lprを用いてスクリーニングされた蛋白を中心に約200種類の蛋白をコムギ胚芽無細胞系で合成し、Alpha法を用いて、上記1.で確立したうち数系統の血性に存在する自己抗体のエピトープをスクリーニングした。 3.蛋白アナログによる各近郊系マウス由来免疫細胞の免疫機能modulationの解析:MXH/lpr各系統およびMRL/lprとMcH/lpr-Angm3から腹腔マクロファージおよび脾細胞を採取し、そこに蛋白アナログを加えて、マクロファージ活性化およびT細胞活性化について解析を行った。 4.Span80ナノベシクルを用いた蛋白アナログdrug delivery systemの開発:界面活性剤Span80を用いた脂質二重膜ベシクルによるDDSの内水相に蛋白アナログを内包させる予備的な実験を行い、内包可能であることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度途中に愛媛大学から岐阜大学に異動があり、実験系およびマウス系の移動、移動のためのマウス胚の作成、移動、掛け合わせなどが必要となり、当初の計画よりは若干進行が遅れている。現在では、ほぼ実験資材、機材、モデルマウスの移動が完了し、実験環境も整備がほぼ完了したところである。
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今後の研究の推進方策 |
異動に伴う進捗状況の遅れがあったが、新所属での実験環境がほぼ整備されたことから、今後とも予定通りにin vitro およびin vivoの実験を継続する。特に、マウス脾細胞系を用いた抗体産生誘導およびT細胞活性化能の評価試験に関しては重点的に行っていく。さらにregulatory T cell, regulatory dendritic cellの誘導に関しても重点的に行う。 その上で、膠原病モデルマウスへの蛋白アナログ投与実験を可及的速やかに開始する。in vivoの系から得られた組織標本を用いた酵素抗原法も当初の予定通り施行する。
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次年度の研究費の使用計画 |
年度途中で愛媛大学から岐阜大学への異動があり、実験が一時中断したことが主な理由である。異動に伴い、マウスを減数したことにより、実験助手謝金が不要になったことも理由の一つである。 今年度は、岐阜大の動物実験施設においてモデルマウスの繁殖および凍結胚保存から開始するため、動物実験施設利用料および謝金として次年度使用額分が必要となる見込みである。また、異動に伴い実験資材の購入も必要で、次年度当初予算と次年度使用額と合わせて、当初の予定に添う使用となることが予想される。
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