研究課題
1.膠原病モデル組換え近交系マウスMXH/lpr全系統の確立と臓器病変の解析: MXH/lpr系のサブストレインを確立した。各系統を4~5ヶ月齢および2ヶ月齢でharvestし、全臓器の組織標本を作製し、それぞれ光学顕微鏡レベルで比較解析した。また、尿蛋白をスクリーニングするとともに、各系統の血清サイトカイン、イムノグロブリン濃度を定量した。マウスの尻尾からDNAを抽出し、全染色体を10~20cMまでカバーする多型マイクロサテライトマーカーで各染色体領域の遺伝子型を決定し、SDP表をほぼ完成させた。そのなかで、遺伝子系分布、疾患感受性に余り差異が見られない系統については淘汰を行い、最終的に23系統を確立した。その中でも、特に皮膚炎および糸球体腎炎必発型MXH100に関し、詳細な解析を行い、その結果を国際学会で発表した。2.Span80ナノベシクルを用いた蛋白アナログdrug delivery systemの開発界面活性剤Span80を用いた脂質二重膜ベシクルによるDDSを用いて、ベシクルの内水相に蛋白アナログを内包させ、尾静脈に投与し、臓器病変に送達する系を確立した。現在、ベシクルの表面を抗体やレクチンで修飾することにより特異性を持たせる予備実験施行中である。3.膠原病モデルマウスへの蛋白アナログ投与実験申請者らは、すでに糸球体腎炎感受性因子OPNのインテグリン結合サイトを阻害する蛋白アナログを見出し、臓器病変抑制の萌芽的実験を行っている。各臓器病変が分離した近交系マウスを選択してこれを投与し、各臓器病変に対する治療効果を解析する。具体的には、①静脈内投与、②Span80ベシクルに内包させて静脈投与、③ベシクルに内包させて腹腔内投与し、実際の膠原病抑制が得られるか病理組織学的に解析した。また、この系における有害事象の解析を行った。
3: やや遅れている
マウスに原虫(蟯虫)感染が発生し、すべてのストレインについてクリーンアップを行う必要性がでた。クリーンアップ自体は約6割のストレインで完了したが、クリーンアップのためにin vivoの投与実験が予定通りには行えなかった。その他の行程に関しては進捗している。
マウスクリーンアップのために進捗状況の遅れがあったが、各ストレインの遺伝背景解析、臓器病変の形態学的解析、サイトカイン等の解析、およびマウス日細胞系を用いた抗体産生誘導およびT細胞活性可能の評価試験に関しては進捗をみた。最終年度にはMXH系の複数のサブストレインを用いた膠原病モデルマウスへの蛋白アナログ投与実験を進行させる。また、研究結果のとりまとめ、発表も予定通り行う。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 産業財産権 (1件)
Neuroscience letters.
巻: 592 ページ: 107,112
10.1016/j.neulet.2015.02.061
Modern rheumatology
巻: 25 ページ: 166,168
10.3109/14397595.2013.875641
Oncology reports.
巻: 33 ページ: 1593,1598
10.3892/or.2015.3761
International journal of clinical and experimental pathology.
巻: 7 ページ: 7485,7496
日本腎臓学会誌
巻: 56 ページ: 124,130