株化乳癌4種でアナフィラトキシンC5aの受容体(C5aR)mRNA発現がみられ、C5a刺激により増殖亢進がみられた。またC5aR発現腎癌細胞株RencaではC5aによる運動性形態変化が誘導され、ERKとPI3 kinase シグナル経路を介していた。さらに、アルザス反応による癌微小環境C5a産生誘導で癌浸潤亢進がみられた。C5aR発現胃癌細胞株でもC5aは浸潤を亢進した。この作用はsiRNAによるC5aR発現消失やC5aR拮抗剤W-54011で抑制され、RhoA活性化が関与していた。C5aは癌肺転移も促進した。これら癌進展効果からC5a-C5aR系標的治療法の有効性を示唆する。
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