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2015 年度 実施状況報告書

ドナー細胞の機能的な生体蛍光イメージングによる移植片対宿主病の病態形成の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25460509
研究機関国立研究開発法人国立がん研究センター

研究代表者

五十嵐 美徳  国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 外来研究員 (70280782)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード蛍光イメージング / 同種造血幹細胞移植 / 移植片対宿主病 / GFP / アポトーシス
研究実績の概要

同種造血幹細胞移植療法は白血病の有効な治療法の一つである。一方、ドナー細胞によって惹起される重篤な副作用である移植片対宿主病(GVHD)の制御が治療戦略上の重要な課題の一つである。移植後のドナー細胞の生体内での挙動を時空間的な情報(時間の変化に伴う細胞の局在、増殖、細胞死等)、ドナー細胞と宿主間での相互作用等を蛍光イメージングによってを用いて可視化することにより、GVHDの発症機序を明らかにするこを目指している。また、ヒトでは解析の困難なドナー細胞の動態を蛍光イメージング及び動物モデルを用いて解析し、臨床上での問題点を非臨床試験レベルで解明できるトランスレーショナルリサーチの推進も目指す。
これまで、ドナーとして緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子導入(GFP-Tg)マウスを用いることによって、移植後のドナー細胞の生体内での動態を、単一細胞レベルまで容易に可視化する実験系を構築してきた。GVHDの病態形成におけるドナー細胞の増殖、アポトーシス等の情報の可視化を目指して解析を実施した。GVHDの標的臓器の一つである消化管において、移植後の早期にドナー細胞の局在し、ドナー細胞が増殖する成果に加えて、抗cleaved Caspase-3抗体及び免疫組織化学的な解析を用いることによって、二次リンパ組織において、宿主(GFP陰性)の単核球細にアポトーシスが誘導されることを明らかとした。また、移植後の消化管上皮細胞において、アポトーシスが検出され、消化管GVHDの発症と関連することが示唆された。今後、標的臓器でのアポトーシスとGVHDの発症との関連性をさらんに検討するために、in vivoでのアポトーシスを可視化をできる実験系の開発を計画する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

蛍光イメージングによるアポトーシスの検出に関して、免疫組織学的手法を用いることによって宿主の消化管上皮細胞にアポトーシスが誘導されることを明らかとしたが、生体内でのリアルタイム蛍光イメージングによるアポトーシス検出については、試薬の販売中止等により、十分な解析が実施できなかったこと、また、平成27年4月より急遽、他機関への出向等により、十分に検討する時間が得られなかった等の理由による。

今後の研究の推進方策

今後の推進方策として、in vivoでのアポトーシスの蛍光イメージングによる解析に加えて、免疫組織化学的な解析によるドナー及び宿主細胞の解析を強化し、GVHD病態の形成とアポトーシスの関連について明らかにする。また、ドナー細胞の増殖については平成27年度の成果として、Ki-67を指標としてドナー細胞と免疫組織化学的に蛍光イメージングすることに成功しており、増殖と細胞死の観点からGVHDの病態形成の機序を解明する。また、これまでに明らかとした成果について公表論文として発表することを視野にいれ、研究を実施する。

次年度使用額が生じた理由

平成27年度4月より、急遽、(独)医薬品医療機器総合機構(PMDA)に出向となったために、PMDAの業務と補助事業の両立が、予想以上に困難なために、実験計画に遅延が生じた。また、補助事業に係わる論文投稿を予定していたが、論文を投稿した場合にかかる経費等が平成27年度中に支払うことが不可能であるために次年度に論文投稿等に係わる経費の支払いを検討している。以上の理由により補助金事業期間延長を申請し、受理された。

次年度使用額の使用計画

平成28年度には、移植後のアポトーシスの蛍光イメージングの解析等に係わる物品費、公表論文に係わる費用、学会等参加による情報収集に係わる旅費等を使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 国立研究開発法人国立がん研究センター 研究所

    • URL

      http://www.ncc.go.jp/jp/nccri/index.html

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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