研究課題
“先天性トキソプラズマ症に対するex vivo 成熟DCワクチンの確立”について、昨年度までに以下の点を解析している。1、ヒト末梢血単球とマウス骨髄由来の未熟DCは、活動期のトキソプラズマ急増虫体が特異的に発現するHSP70 (T. gondii HSP70) 刺激により成熟DCに分化・成熟し、マウスに対するT. gondii HSP70遺伝子ワクチン実験において、末梢の未熟DCが所属リンパ節へ遊走して成熟DCに分化し、ワクチン後早期(3-5日目)にDCのIL-12産生増加とTh1型免疫応答が惹起され抗トキソプラズマ防御免疫が成立する。2、末梢DCを標的とするT. gondii HSP70遺伝子ワクチンにより、感染細胞特異的CD8+およびCD4+細胞傷害性T細胞 (CTL) も誘導され、これらのCTL移入実験により感染防御が成立する(Parasitol Int. 63: 408-16)。本年度は上記の結果を踏まえT.gondii HSP70のT細胞ペプチドエピトープ解析をすすめた。最初に感染感受性マウスのMHCクラスI分子(H-2Kb/Db)結合9-merペプチド候補をアルゴリズム解析 (SYFPEITHI, BIMAS, ProPred) から選択し、次に、日本人86%/欧米人58%が有するヒトHLA-A2分子 (HLA-A2402/A0201/A0206) に結合する9-merペプチドエピトープの候補ペプチドを選択しその結合試験結果から6種類のペプチドを絞りin vitro実験解析を進めた。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)
Transplant Infect Dis.
巻: 17 ページ: 593-8
10.1111/tid.12401
Parasitol Res.
巻: 114 ページ: 3703-9
10.1007/s00436-015-4599-4
信州医学雑誌
巻: 63 ページ: 351-3