研究課題
赤血球表面のタンパク質は膜貫通領域を持つ膜タンパク質である。そのため、赤血球レセプター分子の網羅的な探索技術の開発は「膜タンパク質の合成」という大腸菌等の既存のタンパク質合成法では実施困難な技術的障壁に阻まれていた。最近当センターでは、リポソームを添加した小麦無細胞系を用いてタンパク質を合成するとプロテオリポソームが形成され、様々な膜タンパク質が高い確率で合成される技術を確立した。さらにビオチン化プロテオリポソームを利用したアルファスクリーンによる膜タンパク質相互作用の愛スループットスクリーニング系も確立した。そこで申請者は赤血球表面の膜タンパク質をビオチン化プロテオリポソーム上に合成し、マラリア原虫赤血球レセプター分子の網羅的な探索を行う研究を着想した。赤血球レセプター分子を網羅したタンパク質ライブラリーの構築が予想以上に時間がかかることが明らかになったため、本研究室にある、約200種類の原虫・宿主タンパク質に対するポリクローナル抗体を用いて、網羅的に免疫沈降を行った。その結果、ワクチン候補分子として注目されている、GAMAに対する相互作用分子、GAAPタンパク質を見出すことに成功した。続いてGAMA・GAAPタンパク質の相互作用をBiacoreによって解析した結果、Kd =2.5 nM という抗原抗体反応に匹敵するほど強い相互作用を有することが明らかになった。研究計画どおり、両タンパク質の結合ドメインの同定を行った結果、GAMA上のN末側100アミノ酸長からなるドメインとKd = 10nM 程度で相互作用することが明らかになった。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)
PLoS Pathog
巻: 11 ページ: 1-24
10.1371/journal.ppat.1005306
Infect Immun
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http://www.pros.ehime-u.ac.jp/malaria/