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2014 年度 実施状況報告書

トキソカラ症の実態解明~多彩な臨床像とその病態に関連する諸因子の基礎的検討~

研究課題

研究課題/領域番号 25460518
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

中村 ふくみ  奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (90295204)

研究分担者 赤尾 信明  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (00126559)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードトキソカラ症 / 好酸球増多 / アルベンダゾール / LES抗原
研究実績の概要

平成26年度に蓄積されたトキソカラ症例は研究代表者施設でわずか1例にとどまった。貴重な1例はもともと気管支ぜんそくの治療を受けている患者が、アドヒアランスが良好であるにもかかわらずぜんそく発作の頻度が増加し、好酸球増多の割合が上昇したために寄生虫症を疑われトキソカラ症の診断に至ったものである。アルベンダゾールの治療を行い、経過を観察中である。研究協力に同意され診断時、治療前後の経時血清を保存しており、今後の解析に備えている。蓄積症例数の減少は、やはり平成24年7月に感染源となる牛レバーの生食提供が禁止された影響が考えられる。研究代表者施設および分担研究者施設のみでは十分な研究成果を出すための症例数が確保できないと思われ、他施設への協力を依頼する予定である。
診断用のトキソカラ幼虫排泄・分泌(LES)抗原を得るため、および実験動物感染実験に用いるトキソカラ虫卵の入手が困難な状況も続いている。タイ王国マヒドン大学熱帯医学部蠕虫学教室の Dr. Dorn Watthanakulpanichにトキソカラ虫体入手の協力を依頼しているが、タイ王国でも入手が困難であり、安定的な虫体確保には至っていない。
一方でトキソカラ症の臨床知見・経験を有する研究者は少なく、学術情報誌モダンメディア・話題の感染症欄に「国内におけるトキソカラ症の実態」と題して寄稿する機会を得た。イヌ回虫・ネコ回虫、トキソカラ症の基本事項(疫学、病型、診断、治療)とその診療における問題点を提起した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究代表者施設および分担研究者施設で蓄積される症例数が少ないため、臨床的特徴の解析が遅れている。またトキソカラ虫体の入手が非常に困難であり、安定して虫体を確保するために国内外の研究者の協力体制を整えているとことである。以上の状況から動物への感染実験が実施できておらず、研究成果の達成が遅れている。

今後の研究の推進方策

引き続きトキソカラ症例の蓄積を継続する。研究代表者施設および分担研究者施設のみでは十分な研究成果を出すための症例数が確保できないと思われ、宮崎大学や国立感染症研究所など他施設への協力を依頼する。

次年度使用額が生じた理由

平成26年度は論文投稿に至らず、計上していた論文投稿費が次年度使用となった。動物感染実験の実施に至らず動物購入費を使用しなかった。

次年度使用額の使用計画

協力が得られた施設へ症例データを入手するための旅費に充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 国内におけるトキソカラ症の実態2015

    • 著者名/発表者名
      中村(内山)ふくみ
    • 雑誌名

      モダンメディア

      巻: 61 ページ: 印刷中

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公開日: 2016-05-27  

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