研究成果の概要 |
本研究は異なった組織環境に生息する寄生蠕虫を用いて, 酸素分圧に応答するミトコンドリア蛋白群, とくに呼吸鎖蛋白の発現制御を網羅的に解析することにより, その感染成立, 維持機構の一端を解明することを目的とした。インゲル消化を伴う二次元電気泳動およびショットガン法により, 嫌気的な宿主腸管に棲息する回虫と好気的自活性線虫Caenorhabditis elegansのミトコンドリア蛋白を質量分析計により比較解析したところ, それぞれの線虫に特徴的な蛋白プロファイルが得られた。皮下組織に寄生するマンソン裂頭条虫幼虫は肺吸虫と同様, 好気と嫌気の両ミトコンドリアを有することが明らかになった。
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