哺乳類に寄生するアフリカトリパノソーマ原虫は生存および増殖のために複合型糖鎖を必要とすると考えられているが,その合成の初発段階を触媒する酵素GnT-Iは,ゲノム解析では見つからない。本研究ではトリパノソーマ原虫の抽出液中に見いだされるGnT-I活性を指標として,その同定を試み,TbGT11と呼ばれるタンパク質を必須の構成因子とする約400 kDaのタンパク質複合体であることを強く示唆する結果を得た。さらに,TbGT11自身がN-結合型糖鎖で修飾されることがGnT-I活性に必要であることを明らかにした。
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