研究概要 |
Sanjanaら(Nature Protocols 7, pp171, 2012)のTALE toolbox法によりCYP9M10のコード領域を標的とするTALENsを2組作成した。作成したTALENsは昆虫細胞を用いたSSAアッセイ法で僅かな活性が見られたが、実際に個体にマイクロインジェクションした際にnon-homologous end-joining (NHEJ)による標的部位への変異導入は観察することができなかった。近年TALENとは別のゲノム編集技術としてCRSPR/Cas9法(Jinek M et. al., Science. 17, 337(6096), pp816, 2012)が注目されている。CRSPR/Cas9は標的部位にカスタマイズしたコンストラクトを作ることがTALENよりも容易であることが特徴である。そこで、CYP9M10を標的にしたCRSPR/Cas9のgRNAコンストラクトを作成しその効果を確認することにした。gRNAとCas9のmRNAをマイクロインジェクションした数十個体の内数個体(G0世代)に、NHEJによる標的部位への変異導入が見られた。観察された変異の種類は、主に10-60塩基程度の長さの欠失で、フレームシフト型はCYP9M10遺伝子の機能を欠失していると考えられる。今後、インジェクションを行なったG0世代を親系統と掛けあわせ、knock-outされたアレルが遺伝した子孫を得ることを試みる。
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