MAC症の起因菌であるMAC菌は糖ペプチド脂質抗原GPLにより28種類の血清型が規定されている。臨床分離株Ku11株由来新規GPLの糖鎖構造、生合成遺伝子を解析した。GPLの宿主認識は、糖鎖のアセチル基修飾が重要で修飾位置によりTLR 2を介した宿主認識機構から回避されることを明らかにした。また、M. smegmatis J15cs株はGPL生合成遺伝子mps1の変異によりGPLが欠失し、細胞形態がrough型に変化し、宿主内で長期に生存することを証明した。以上の結果から、MAC菌は血清型特異GPLにより感染性・病原性が制御されていることが示唆された。
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