1人の化膿性髄膜炎患者よりemm1のA群レンサ球菌の強毒株と弱毒株を分離した。強毒株はrocAの1塩基置換によるアンバー変位の挿入が認められた。強毒株に構成的に発現するrocA遺伝子を導入すると、病原因子の発現が低下することから、rocAの変位がcovR(負の制御因子)制御下の病原遺伝子の発現を活性化したと思われる。一方、CD46 トランスジェニックマウスの後肢足蹠部にレンサ球毒ショック素症候群の患者から分離されたGAS472株(emm1)を感染させると、骨髄細胞から RANKLの過剰な発現を誘導し、破骨細胞を高度に活性化した。その結果、感染局所の骨破壊及び全身の骨量の減少を誘導した。
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