研究課題/領域番号 |
25460550
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
小出 直樹 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (50308962)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | LPS / CREB / Akt |
研究実績の概要 |
エンドトキシンはグラム陰性菌の外膜を構成し、感染時に盛んに増殖したとき、一部の菌体が壊れと体内に大量のエンドトキシンがだされる。エンドトキシンショックは敗血症ショックの内、グラム陰性菌によるものをさし、年間数万人が罹患し、約1万人が致命に至る。その致命率はここ10年殆ど変っておらず、新たな病態の理解と、それに照らした治療法が待たれる。先回、CREBの関連分子のノックダウンが難しいことに直面し、アプローチの仕方を変えることにしたところ、新規のCREB阻害剤コノフィリンを偶然ながらみつけ、それを利用したところ、エンドトキシンのCREBからその下流分子の活性化のシグナル伝達が特異的に抑制され、エンドトキシンによる炎症の一部が有意に抑制されることを見出し、Immunol Lett. (161(1):31-7.2014)に報告することができた。今回、新たなCREBの関連分子の阻害剤を探していたところ、CBP(Creb Binding Protein) /p300がAktによって活性化するという報告から、毒性の低い新規Akt阻害剤DTCM-glutarimideを使用し、エンドトキシンによるシグナルの伝達への影響ををみたところ、DTCM-glutarimideはAktを介してNF-kBを有意に抑制することがわかり、Int Immunopharmacol.( 25(1):162-8.2015) に報告することができた。今後もCREBの関連分子を阻害することで、LPSによる炎症へのシグナルがどのように影響を受けるのか検討を続けていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
はじめに、ノックダウンに手間取り、アプローチを変えるという予想外のことはあったが、その後、テーマに沿った研究課題をコンスタントに実験し、雑誌に報告できているため
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今後の研究の推進方策 |
今後もCREBの関連分子を阻害することで、LPSによる炎症へのシグナルがどのように影響を受けるのか検討を続けていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定よりも、速やかにCREB関連分子の阻害剤がみつかったため
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次年度使用額の使用計画 |
さらに多くのCREB関連分子の新規阻害剤を見つけるため、より網羅的な方法でアプローチする予定です
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