C型ウエルシュ菌のβ毒素は、致死や壊死活性を有し、ヒトの壊疽性腸炎の原因の1つと考えられている。β毒素は細胞膜で7量体のオリゴマーを形成し、細胞死を引き起こす。今回、β毒素をTHP-1細胞に作用させると細胞死を誘導し、オリゴマーを形成した。本毒素は、細胞内K+イオン遊離作用を示し、本毒素の細胞死と結合はK+フリー液中で認められ、高K+液中では抑制された。β毒素はp38MAPKのリン酸化を示し、このリン酸化はK+フリー液で増強された。MAPK阻害剤でp38MAPKのリン酸化は阻害され、細胞毒性は増強された。以上の検討から、p38MAPKのリン酸化は、本毒素の障害作用に抑制的に働くと考えられる。
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