レプトスピラ症の重症化メカニズムを明らかにするために,シリアンハムスターに対して異なる病原性を示すLeptospira interrogans 2株を用いた感染実験を行った.感染96時間後に強毒株接種群で尿細管の崩壊および肺出血が顕著に認められた.また肝臓において強毒株接種群の菌DNA量が有意に多かった.さらに血液,肝臓および肺臓において,強毒株接種群で複数のサイトカイン遺伝子発現が有意に上昇していた.以上の結果から,強毒株は,ハムスター肝臓を増殖の場とし,弱毒株にはない特有の臓器障害因子およびサイトカイン誘導因子を有する可能性が考えられた.
|