研究課題/領域番号 |
25460562
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木曽 真紀 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (00624602)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | インフルエンザウイルス |
研究概要 |
本研究では、主にヌードマウスを用い、インフルエンザウイルスを感染させた後、薬剤を投与し、その効果及び薬剤耐性ウイルス出現メカニズムを明らかにし、より効果的薬剤治療法を見出すことを目的とする。具体的には、①既存の抗ウイルス薬の併用による効果的な治療方法の探索、②ヌードマウスを用いた免疫不全持続感染モデルの確立および③ヌードマウスを用いた薬剤耐性ウイルス出現メカニズムの解明を目的とし、将来的に、免疫不全患者を含め、より効果的な治療法についての知見を見出す。 本年度は、ヌードマウスにおいてインフルエンザウイルスが体内に持続的に存在し続けることを確認し、持続感染モデルを作出することを試みた。使用するウイルス株を選択するためにA/Osaka/1477/2009 (pdmH1N1)株及びマウスに馴化したA/California/04/09 (pdmH1N1)株を同量、ヌードマウスに接種して体重変化および生死、臨床症状等を比較した。その結果、Osaka株ではそれほど体重が変化せず、一方California株では明確な体重減少が観察されたことから、薬剤の効果が容易に判断しやすいCalifornia株を今後の実験に使用することとした。また、免疫不全モデルのヌードマウスと通常免疫状態のマウスに同量のCalifornia株を接種し、経時的に肺のウイルス量を確認したところ、ヌードマウスではより長期に渡り肺にウイルスが持続することが確認された。以上のことから今後はマウスに順化させたA/California/04/09株を用い、ヌードマウスにおける感染実験および薬剤投与を行うこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
通常免疫状態のマウスより ヌードマウスでウイルスが体内に持続することが明らかとなり、持続感染モデルとしてヌードマウスが使用できることが確認できた。また、明確に薬剤効果が判定できうるウイルス株が決定した。
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今後の研究の推進方策 |
ウイルスを感染させたヌードマウスに、各種抗インフルエンザ薬を投与し、その生死、体重変化、肺におけるウイルス増殖等により薬剤の効果を評価する。また、経時的に肺からのウイルス分離を試み、分離されたウイルスについて薬剤感受性試験および遺伝子解析を行い、薬剤耐性ウイルス出現状況を確認する。 また、高病原性H5N1ウイルス感染に対して、通常免疫状態のマウスを用い、既存薬数種類を用いて併用療法を行い、より効果的な治療法について検討する。得られた効果的な治療法についてはpdm H1N1ウイルス感染ヌードマウスモデルにおいても効果を確認する。
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