研究課題/領域番号 |
25460566
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福原 崇介 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (70598739)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | C型肝炎ウイルス / ノックアウト |
研究概要 |
HCVの感染系はIn vitroのHuh7細胞に対するJFH1株の感染に限定されている。今回、人工ヌクレアーゼやCRISPR/Cas9システムを用いて、様々な宿主因子のノックアウトHuh7細胞を樹立し、これまでよりも高い再現性を目指したHCV研究を確立することを目的としている。今年度、人工ヌクレアーゼであるZFNやTALEN、およびCRISPR/Cas9システムを用いて、ATG5、ATG13、ATG14、miR-122、Apolipoprotein B (ApoB)およびApoEのノックアウトHuh7細胞を樹立した。オートファジーに関する検討では、HCV感染によって誘導されるLC3のlipidationはATG5依存的、ATG13およびATG14には非依存的であることが明らかになった。今後はHCVの感染性に対する影響を詳細に検討する予定である。また、miR-122のノックアウト細胞を用いることで、HCVはmiR-122非依存的に複製、増殖が可能であることが明らかになった。今後は、ノックアウト細胞を用いることによって、miR-122によるHCV-RNAの複製亢進メカニズムを明らかにしたい。また、ApoBおよびApoEのノックアウトHuh7細胞にHCVを感染させたが、粒子産生の抑制は軽度であった。そこで、ApoBおよびApoEのダブルノックアウトHuh7細胞を樹立したところ、顕著にHCVの粒子産生が抑制されることが明らかになった。このことから、ApoBおよびApoEがHCVの粒子産生において、重複した機能を持つことが示唆された。今後は、その他のApolipoproteinの役割を明らかにしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
予定していた通り、人工ヌクレアーゼやCRISPR/Cas9系を用いることによって、様々な宿主因子のノックアウトHuh7細胞の樹立に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、樹立できたノックアウトHuh7細胞を用いて、HCV感染における宿主因子の意義を詳細に解析していきた。具体的には、HCV感染によって誘導されるLC3のLipidationの感染性に対する影響を検討する。また、Lipidationが誘導されるメカニズムも解明したい。また、miR-122に関しては、HCV-RNAの複製を亢進するメカニズムを明らかにする。Apolipoproteinに関しては、その他のExchangeable ApolipoproteinであるApoAやApoCの意義に着目してHCVの感染、特に粒子産生における役割を明らかにする予定である。
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