我々はこれまで、胃腸炎関連のピコルナウイルス、アイチウイルス(AiV)のゲノム複製機構の解明を目的とした研究を行ってきた。ピコルナウイルスのゲノム複製における宿主タンパク質の役割にくらべ、脂質の役割には不明な点が多い。本研究では、ゲノム複製に必要な新たな宿主タンパク質を同定しタコとに加え、脂質の関与についても明らかにした。アイチウイルスゲノム複製部位において、ウイルスタンパク質や様々な宿主タンパク質が相互作用をして集合し、PI4Pとコレステロールという2種類の脂質を蓄積させており、このことがウイルスゲノム複製に必要であった。
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