研究課題/領域番号 |
25460577
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
田島 茂 国立感染症研究所, その他部局等, 主任研究官 (60311346)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | デングウイルス / 化合物スクリーニング / 相互作用因子スクリーニング / 非構造蛋白質 |
研究実績の概要 |
本研究ではデングウイルスの中でも複製に必須でありながら詳細な機能が明らかとなっていない非構造蛋白質に焦点を当て、これらに結合する化合物を同定することによりウイルス複製機構の解明および抗デング薬創薬を目指している。 申請者は昨年度よりデングウイルスNS4Aに結合する化合物の探索を行い、数種類の化合物を同定した。次にこれらの化合物がデングウイルスの増殖を抑制するかを調べたが、細胞毒性が見られない濃度以下で顕著に増殖が抑えられるものは得られなかった。次に同じ非構造蛋白質であるNS1に結合する化合物を探索したところ、数種類同定された。これらについても同様にデングウイルス増殖抑制能を検討したところ、結合化合物と類似した化合物を添加した時に、細胞毒性濃度に比べ明らかに低い濃度でデングウイルスの増殖を阻害することが明らかとなった。現在この化合物に焦点を絞り、詳細な解析を継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
デングウイルス非構造蛋白に結合する化合物の探索をきっかけに、細胞毒性のほとんど見られない濃度でデングウイルスの増殖を抑制する化合物を同定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は得られた化合物になるべく注力し、様々なウイルス株や異なるフラビウイルスに対する作用、異なる培養細胞での検討、投与するタイミングの影響、作用点の解明等を進めてゆく予定である。また最近様々な生理活性物質・阻害剤ミニライブラリーが購入可能であることから、余裕があればこれらを用いたスクリーニングも行いたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗状況は概ね予定通りに進行しているものの、探索という研究の性質上完全に予定通りには進まないことから、状況に応じて臨機応変に対応する必要があり、今回のような状況に至った。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額が生じたことから、当初予定していた実験計画をより充実・拡張させて研究を進行させる予定である。
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